てんかんがあると「生命保険には入れないのではないか」と不安に感じる方もいるかもしれません。実際には、生命保険の加入可否は病名だけで決まるわけではなく、発作の状況や治療経過、通院状況、服薬内容などをもとに個別に判断されることが一般的です。
本記事では、てんかんと生命保険の関係について、①審査で確認されるポイント、②加入できる可能性がある保険の種類、③加入できなかった場合の選択肢、の3点を順を追って解説します。
てんかんでも生命保険に加入できる可能性はある?

生命保険は死亡・高度障害時に保険金が支払われる保険、医療保険は入院・手術などの医療費に備える保険です。てんかんがある場合、両方の加入を検討するケースがありますが、審査基準や保障内容はそれぞれ異なります。本記事では主に生命保険について解説します。
てんかんがある場合でも、必ずしも生命保険に加入できないわけではありません。生命保険の審査では、単に病名の有無だけで判断されるのではなく、現在の健康状態や治療経過、発作の状況などを総合的に確認したうえで加入可否が判断されることが一般的です。
特に、発作が長期間起きていない場合や、服薬により症状が安定している場合には、通常の生命保険に加入できる可能性もあります。一方で、発作の頻度が高い場合や最近入院歴がある場合などは、審査が慎重に行われることがあります。その場合でも、条件付きで加入できるケースや、引受基準緩和型保険など別の選択肢を検討できることがあります。
ここではまず、てんかんと生命保険の基本的な関係について整理し、加入の可能性がどのように判断されるのかを確認していきます。
てんかんがあっても生命保険に一律で入れないわけではない
生命保険では、特定の病気があるという理由だけで一律に加入が拒否されるわけではありません。保険会社は契約時の審査において、申込者の健康状態や既往歴などを確認し、将来的な保険金支払いのリスクを評価したうえで加入可否を判断します。
そのため、てんかんと診断されている場合でも、症状が安定している場合や発作が長期間起きていない場合には、通常の生命保険に加入できる可能性があります。特に、一定期間発作がなく、日常生活に大きな支障がない場合などは、保険会社の審査で問題がないと判断されるケースもあります。
一方で、最近発作が起きている場合や、入院治療を受けている場合などは、保険会社が将来的なリスクを慎重に評価するため、加入が難しくなることもあります。このような場合でも、特定部位不担保や保険料割増などの特別条件が付いた形で契約できるケースや、通常の保険とは異なる引受基準の保険を検討できることがあります。
加入可否は病名だけでなく治療経過や告知内容で判断される
生命保険では、契約時に「告知義務」があり、申込者は過去の病歴や現在の健康状態について保険会社に申告する必要があります。てんかんの場合も、診断歴だけでなく、現在の症状や治療状況などが審査の判断材料になります。
一般的に、次のような項目が確認されることがあります。
- てんかんの診断を受けた時期
- 最終発作の時期
- 発作の頻度
- 入院歴や手術歴
- 現在の通院状況
- 服薬内容や治療方法
- 日常生活や就労への影響
例えば、発作が長期間起きていない場合や、通院治療によって症状が安定している場合には、通常の生命保険の審査を通過できる可能性があります。一方で、発作が頻繁に起きている場合や最近入院治療を受けている場合などは、保険会社がリスクを慎重に判断するため、加入が難しくなることがあります。
このように、生命保険の審査では病名だけでなく、病状の安定性や治療経過などを総合的に確認して判断されることが一般的です。
てんかんで生命保険の審査が慎重に行われることがある理由

生命保険では、契約時に申込者の健康状態や既往歴を確認し、将来的な保険金支払いのリスクを評価したうえで加入可否を判断します。これは保険制度が、多くの加入者が保険料を出し合い、万一の際に給付を受ける仕組みで成り立っているためです。
そのため、慢性的な疾患や発作を伴う病気がある場合には、保険会社が健康状態をより慎重に確認することがあります。てんかんの場合も、発作の頻度や治療状況によって生活への影響が異なるため、病名だけでなく症状の経過や現在の状態が審査の重要な判断材料になります。
ここでは、てんかんがある場合に生命保険の審査で確認されやすいポイントについて整理します。
告知義務で確認される主な項目
生命保険に申し込む際には「告知義務」があり、申込者は現在の健康状態や過去の病歴について保険会社に申告する必要があります。告知内容は保険会社が審査を行う際の重要な資料となるため、正確に回答することが求められます。
多くの生命保険では、次のような内容が告知対象となることがあります。
- 過去5年以内の入院・手術歴
- 過去5年以内の通院歴や治療歴
- 現在治療中の病気や服薬状況
- 過去の重大な病気の診断歴
- 医師から入院や手術を勧められているかどうか
てんかんの場合も、これらの告知項目に加えて、発作の状況や治療内容などが確認されることがあります。保険会社は告知内容をもとに医療的なリスクを評価し、加入可否や契約条件を判断します。
発作頻度・最終発作時期・入院歴が重視されやすい
てんかんの審査では、発作の頻度や最終発作の時期が重要な判断材料になることがあります。発作が長期間起きていない場合や、治療によって症状が安定している場合には、保険会社がリスクを比較的低いと判断するケースもあります。
一方で、発作が頻繁に起きている場合や、最近発作による入院歴がある場合などは、将来的な健康リスクが高いと判断される可能性があります。そのため、加入審査が慎重に行われたり、契約条件が付くことがあります。
特に、次のような情報は審査で確認されることがあります。
- 最終発作が起きた時期
- 発作の種類や頻度
- 発作による入院歴
- 発作による事故歴の有無
これらの情報は、保険会社が病状の安定性を判断する際の参考になります。
服薬状況や通院継続の有無も判断材料になりやすい
てんかんの治療では、抗てんかん薬などによる継続的な治療が行われることが一般的です。生命保険の審査では、現在の服薬状況や通院状況も重要な確認項目になることがあります。
例えば、医師の指示に従って定期的に通院している場合や、薬によって発作がコントロールされている場合には、病状が安定していると判断される可能性があります。一方で、通院が途切れている場合や治療内容が不明確な場合には、保険会社が健康状態を判断しにくくなることがあります。
そのため、審査では次のような内容が確認されることがあります。
- 現在服用している薬の種類
- 通院頻度
- 治療の継続状況
- 医師からの生活上の指示
これらの情報を総合的に確認することで、保険会社は現在の健康状態を判断します。
合併症や日常生活への影響がある場合は慎重に見られやすい
てんかんの症状や発作の状況によっては、日常生活や就労に影響が出ることがあります。生命保険の審査では、病気そのものだけでなく、生活への影響の程度についても確認される場合があります。
例えば、発作による事故のリスクが高い場合や、日常生活に大きな制限がある場合などは、将来的な健康リスクが高いと判断されることがあります。また、他の疾患を併発している場合には、それらも含めて総合的に審査されることがあります。
その結果として、
- 特定部位不担保
- 保険料割増
- 保険金削減
といった特別条件が付くことや、保険会社によっては加入を見送る判断がされることもあります。このように、てんかんがある場合の生命保険の審査では、発作の状況や治療経過、生活への影響などを総合的に確認したうえで判断されることが一般的です。
てんかんがある方が検討しやすい生命保険の種類

てんかんがある場合でも、症状の状態や治療状況によっては生命保険に加入できる可能性があります。ただし、健康状態によっては通常の生命保険の審査が通りにくいこともあり、その場合は別の種類の保険を検討することになる場合があります。
生命保険にはさまざまな種類があり、健康状態に不安がある方でも加入しやすいように設計された商品もあります。例えば、告知項目が簡略化された「引受基準緩和型保険」や、健康状態の告知が不要な「無選択型保険」などです。
ここでは、てんかんがある場合に検討されることが多い生命保険の種類について、それぞれの特徴や加入条件の考え方を整理します。
通常の生命保険に加入できる可能性があるケース
てんかんがある場合でも、症状が安定している場合や発作が長期間起きていない場合には、通常の生命保険に加入できる可能性があります。生命保険の審査では、現在の健康状態や治療状況などを総合的に判断するため、必ずしも病名だけで加入可否が決まるわけではありません。
例えば、次のような状況では、通常の生命保険に加入できる可能性があるとされています。
- 発作が長期間起きていない
- 服薬により症状が安定している
- 定期的な通院治療を継続している
- 日常生活や就労に大きな支障がない
ただし、保険会社によって審査基準は異なるため、同じ健康状態であっても加入できるかどうかの判断が変わることがあります。また、加入できる場合でも、保険料割増や特定部位不担保などの条件が付くことがあります。
引受基準緩和型保険とは
引受基準緩和型保険は、持病がある方や過去に大きな病気を経験した方でも加入しやすいように設計された保険です。通常の生命保険よりも告知項目が少なく、健康状態に関する質問が簡略化されていることが特徴です。
多くの引受基準緩和型保険では、次のような告知項目が設定されています。
- 最近3か月以内に入院や手術を勧められていないか
- 過去1年〜2年以内に入院や手術をしていないか(目安。商品によって異なります)
- 現在、重い病気で治療中ではないか
※告知期間の基準は保険会社・商品によって異なります。複数社の告知書を比較して確認することをおすすめします。
これらの条件に該当しなければ、持病がある場合でも加入できる可能性があります。ただし、通常の生命保険と比較すると保険料が高くなる傾向があり、保障内容にも一定の制限が設けられていることがあります。
例えば、契約後一定期間は保険金が削減されるなどの条件が付く商品もあるため、契約内容をよく確認することが大切です。
無選択型保険とは
無選択型保険は、健康状態に関する告知や医師の診査を必要としない生命保険です。健康状態に不安がある方でも申し込みができるため、通常の生命保険や引受基準緩和型保険に加入できない場合の選択肢として検討されることがあります。
ただし、加入しやすい一方で、次のような特徴があります。
- 保険料が高く設定されていることが多い
- 契約後一定期間は死亡保険金が全額支払われない場合がある
- 保障内容が限定されていることがある
例えば、契約から一定期間内に死亡した場合には、支払われる保険金が払い込んだ保険料相当額に限定される商品もあります。このような条件があるため、加入しやすさだけでなく保障内容も確認したうえで検討することが重要です。
生命保険以外に医療保険・がん保険を検討する考え方
てんかんがある場合、生命保険だけでなく医療保険やがん保険など、別の種類の保険を検討するケースもあります。保険はそれぞれ保障の目的が異なるため、自分がどのようなリスクに備えたいのかを整理することが大切です。
例えば、生命保険は主に死亡時の家族の生活費などに備える保険ですが、医療保険は入院や手術などの医療費に備えることを目的としています。また、がん保険はがんと診断された場合の治療費や生活費を支援することを目的とした保険です。
てんかんがある場合には、保険会社によって加入できる保険の種類や条件が異なることがあります。そのため、生命保険だけにこだわらず、医療保険や他の保障を組み合わせてリスクに備えるという考え方も選択肢の一つになります。
引受基準緩和型保険・無選択型保険の注意点

通常の生命保険に加入することが難しい場合でも、引受基準緩和型保険や無選択型保険など、健康状態に不安がある方でも申し込みやすい保険が用意されていることがあります。ただし、これらの保険は「加入しやすい」ことを目的として設計されているため、通常の生命保険とは保障内容や保険料の仕組みが異なる場合があります。
特に、保険料の水準や保障の条件については事前に確認しておくことが重要です。ここでは、引受基準緩和型保険や無選択型保険を検討する際に注意しておきたいポイントを整理します。
通常の生命保険より保険料が割高になりやすい
引受基準緩和型保険や無選択型保険は、持病がある方や健康状態に不安がある方でも加入できるように設計されています。そのため、保険会社は通常の生命保険よりも将来的なリスクを考慮し、保険料を高めに設定していることが一般的です。
例えば、同じ死亡保障額で比較した場合でも、通常の生命保険より保険料が高くなることがあります。これは、健康状態の告知項目が少ないことや、加入者の健康リスクが比較的高い可能性を考慮しているためです。
そのため、引受基準緩和型保険や無選択型保険を検討する際には、保険料と保障内容のバランスを確認し、長期間継続して支払えるかどうかを考えることが重要です。
免責期間や保険金削減が設定される商品がある
引受基準緩和型保険や無選択型保険では、契約後一定期間は保障内容が制限されることがあります。これは、健康状態の確認が簡略化されていることによるリスクを調整するための仕組みです。
例えば、契約後1年〜2年程度の期間は、死亡保険金が全額支払われず、払い込んだ保険料相当額が支払われる仕組みになっている商品があります。このような期間は「免責期間」や「保険金削減期間」などと呼ばれることがあります。
そのため、保険を検討する際には、契約後すぐに通常の保障が開始されるのか、一定期間は保障内容が制限されるのかを確認することが大切です。
持病の悪化や既往症に関する保障範囲は必ず確認する
引受基準緩和型保険や無選択型保険では、持病がある方でも加入できる場合がありますが、すべての病気や症状が保障対象になるわけではありません。商品によっては、既往症に関連する病気について一定期間保障対象外になることがあります。
また、持病が原因と判断される場合には、給付金や保険金の支払い対象にならないことがある商品もあります。このような条件は保険会社ごとに異なるため、契約前に約款や保障内容を確認することが重要です。
特に、持病に関連する保障の扱いについては、契約内容をよく理解したうえで判断することが大切です。
「加入しやすい」と「保障が手厚い」は同じではない
引受基準緩和型保険や無選択型保険は、健康状態に不安がある方でも加入しやすいことが特徴ですが、その一方で保障内容が通常の生命保険より制限されている場合があります。
例えば、
- 保険料が高く設定されている
- 契約初期の保障が制限されている
- 保障対象となる病気に条件がある
といった点が挙げられます。
そのため、「加入できるかどうか」だけで判断するのではなく、保障内容や保険料、契約条件などを総合的に確認することが重要です。保険を検討する際には、自分の健康状態や生活状況に合った保障内容になっているかを確認しながら選ぶことが大切です。
てんかんで生命保険を申し込むときの告知ポイント

2章で解説したとおり、生命保険には告知義務があり、発作の状況や治療経過が審査の重要な判断材料になります。ここでは、てんかんがある方が実際に告知書を記入する際に意識しておきたい具体的なポイントを整理します。
病名だけでなく現在の症状や治療経過を正確に伝える
生命保険の告知では、病名だけでなく現在の症状や治療経過をできるだけ正確に伝えることが重要です。てんかんの場合、発作の状況や治療内容によって健康状態の評価が変わることがあるためです。
例えば、次のような内容が告知で確認されることがあります。
- てんかんと診断された時期
- 発作の種類や頻度
- 最終発作の時期
- 現在受けている治療内容
- 入院歴や検査歴
これらの情報は、保険会社が病状の安定性や生活への影響を判断する際の参考になります。診断名だけを簡単に記載するのではなく、現在の状態が分かるように伝えることが大切です。
最終発作日・受診日・服薬内容を整理しておく
てんかんの審査では、最終発作が起きた時期や現在の治療状況が重要な判断材料になることがあります。そのため、申し込み前に医療記録や通院履歴を確認し、必要な情報を整理しておくと告知がスムーズになります。
具体的には、次のような情報を把握しておくと役立ちます。
- てんかんと診断された時期
- 発作の種類や頻度
- 最終発作の時期
- 現在受けている治療内容
- 入院歴や検査歴
これらの情報を整理しておくことで、告知内容を正確に記載しやすくなります。
告知義務違反になると保険金が支払われないことがある
生命保険では、告知内容に虚偽や申告漏れがあった場合、「告知義務違反」と判断されることがあります。告知義務違反が認められた場合には、契約が解除されたり、保険金が支払われない可能性があります。
例えば、
- 過去の通院歴を申告していなかった
- 服薬中の病気を告知していなかった
- 医師の診断内容を正確に記載していなかった
といった場合、後から保険会社が事実を確認した際に問題になることがあります。
特に、契約後に保険金請求が発生した場合には、保険会社が契約時の告知内容を確認することがあります。そのため、健康状態に関する情報は正確に伝えることが大切です。
迷った項目は自己判断せず確認する
告知書の質問内容について、回答に迷う場合もあるかもしれません。例えば、「通院歴に該当するか分からない」「症状が軽い場合でも告知が必要なのか」といったケースです。
このような場合には、自己判断で記載を省略するのではなく、保険会社や保険代理店に確認することが望ましいとされています。保険会社によって告知の対象となる条件が異なることもあるためです。
告知内容について事前に確認しておくことで、後から告知内容が問題になるリスクを減らすことにつながります。生命保険を申し込む際には、健康状態に関する情報をできるだけ正確に伝えることを意識することが大切です。
てんかんがある方が生命保険に加入できなかった場合の選択肢

生命保険に申し込んだ場合でも、健康状態や治療状況によっては加入が認められないことがあります。てんかんの場合も、発作の頻度や治療状況などによっては審査が慎重に行われ、結果として加入が見送られるケースがあります。
ただし、一度加入できなかったからといって、すべての保険に加入できないわけではありません。時間の経過によって症状が安定した場合や、別の保険商品を検討することで加入できる可能性があります。
ここでは、生命保険に加入できなかった場合に検討できる選択肢について整理します。
時間を置いて再審査を検討する
生命保険の審査は、申し込み時点の健康状態をもとに判断されます。そのため、症状が安定したり治療状況が改善した場合には、一定期間を置いて再度申し込みを検討できることがあります。
例えば、発作が長期間起きていない場合や、医師の治療によって症状が安定している場合などは、以前より審査結果が変わる可能性があります。保険会社によって審査基準は異なるため、別の保険会社で申し込みを検討するという方法もあります。
このように、健康状態が変化した場合には、再度生命保険の加入を検討できる可能性があります。
保障内容を絞って申し込む
生命保険にはさまざまな商品があり、保障内容や保障額によって審査結果が変わることがあります。例えば、保障額が大きい場合には保険会社のリスクが高くなるため、審査がより慎重に行われることがあります。
そのため、保障額を見直したり、保障内容を絞った商品を検討することで、加入できる可能性が高まることがあります。例えば、死亡保障額を抑えた定期保険などを検討するケースもあります。
保険を検討する際には、自分にとって必要な保障を整理したうえで、無理のない範囲で保障内容を設定することが大切です。
引受基準緩和型保険や無選択型保険を検討する
通常の生命保険の審査が難しい場合には、引受基準緩和型保険や無選択型保険など、加入条件が緩和された保険を検討する方法もあります。
引受基準緩和型保険は、健康状態に関する告知項目が簡略化されている保険で、持病がある方でも加入できる可能性があります。一方、無選択型保険は健康状態の告知が不要で申し込みができる保険です。
ただし、これらの保険は通常の生命保険より保険料が高い場合や、契約後一定期間は保険金の支払い条件に制限がある場合があります。そのため、保障内容や契約条件を確認したうえで検討することが大切です。
公的保障も含めて備え方を見直す
生命保険だけが生活のリスクに備える方法ではありません。日本には、医療費や生活費の負担を軽減するための公的制度もあります。
例えば、医療費の自己負担を軽減する制度や、一定の条件を満たした場合に支給される年金制度などがあります。これらの制度を活用することで、医療費や生活費の負担を軽減できる可能性があります。
生命保険に加入できない場合でも、公的制度や貯蓄などを含めて備え方を考えることで、将来のリスクに備えることができます。保険だけに頼るのではなく、複数の方法を組み合わせて生活設計を考えることが大切です。
てんかんの治療で利用できる公的制度

てんかんの治療では、継続的な通院や服薬が必要になることがあります。治療が長期にわたる場合、医療費の負担が気になる方も多いかもしれません。
日本には、医療費や生活費の負担を軽減するための公的制度がいくつか用意されています。これらの制度を利用することで、自己負担を抑えながら治療を継続できる可能性があります。
ここでは、てんかんの治療に関連して利用されることがある主な公的制度について整理します。
自立支援医療(精神通院医療)
自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患の治療にかかる医療費の自己負担を軽減する制度です。てんかんはこの制度の対象疾患に含まれており、一定の条件を満たす場合に利用できることがあります。
この制度を利用すると、通常は医療費の自己負担が3割のところ、原則1割に軽減されます。また、所得に応じて月額の自己負担上限額が設定される仕組みになっています。
対象となる医療には、通院による診察や投薬、精神科デイケアなどが含まれる場合があります。制度を利用するためには、市区町村への申請が必要となり、医師の診断書などを提出することが一般的です。
高額療養費制度
高額療養費制度は、1か月の医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合、その超過分が払い戻される制度です。医療費が高額になった場合でも、一定の負担額に抑えられる仕組みになっています。
自己負担の上限額は、年齢や所得区分によって異なります。例えば、70歳未満の方で標準的な所得の場合、1か月の自己負担額の上限はおおよそ8万円程度を目安に計算されます。
この制度は、入院や高額な治療が必要になった場合の医療費負担を軽減する役割があります。てんかんの治療で入院が必要になった場合などにも利用されることがあります。
障害年金
てんかんの症状によって日常生活や就労に大きな影響がある場合には、障害年金の対象となることがあります。障害年金は、病気やけがによって生活や仕事に支障がある場合に支給される公的年金制度です。
てんかんの場合、発作の頻度や症状の程度、日常生活への影響などをもとに障害等級が判断されます。一定の条件を満たした場合には、障害基礎年金や障害厚生年金が支給される可能性があります。
障害年金を受給するためには、初診日や保険料納付状況などの条件を満たす必要があります。また、医師の診断書や病歴・就労状況などの資料を提出して審査を受けることが一般的です。
民間保険と公的制度をどう組み合わせて考えるか
生命保険や医療保険は、万一の際の経済的な備えとして活用されるものですが、公的制度と組み合わせて考えることも重要です。日本の医療制度では、公的医療保険や各種制度によって医療費の負担が一定程度抑えられる仕組みになっています。
そのため、民間保険を検討する際には、公的制度でカバーされる範囲を理解したうえで、不足する部分を補う形で保険を活用するという考え方が一般的です。
例えば、医療費については高額療養費制度や自立支援医療などが利用できる可能性があります。一方で、働けなくなった場合の生活費や、家族の生活費などについては生命保険の保障が役立つ場合があります。
このように、公的制度と民間保険の役割を整理して考えることで、より現実的な備え方を検討することができます。
てんかんと生命保険に関するよくある質問

てんかんと生命保険について調べている方の中には、「過去のてんかんは告知が必要なのか」「服薬中でも申し込めるのか」など、具体的な疑問を持つ方も多いかもしれません。ここでは、てんかんと生命保険に関してよくある質問を整理し、一般的な考え方を解説します。
子どもの頃のてんかんでも告知は必要?
生命保険の申し込みでは、告知書に記載されている質問に該当する場合、子どもの頃の病歴であっても告知が必要になることがあります。多くの生命保険では、過去5年以内の通院歴や入院歴などが告知対象となることが一般的です。
ただし、子どもの頃にてんかんと診断されていても、その後長期間発作がなく、治療や通院が終了している場合には、告知対象にならないケースもあります。これは保険会社の告知項目の内容によって異なるため、質問内容を確認して判断することが大切です。
告知の必要性に迷う場合は、保険会社や保険代理店に確認したうえで対応することが望ましいとされています。
発作が長期間起きていなければ通常の生命保険に入れる?
発作が長期間起きていない場合には、通常の生命保険に加入できる可能性があります。生命保険の審査では、現在の症状の安定性や治療状況が重要な判断材料になるためです。
例えば、長期間発作がなく、医師の管理のもとで症状が安定している場合には、通常の生命保険に加入できるケースもあります。ただし、加入可否は保険会社の審査基準や健康状態によって判断されるため、必ず加入できるとは限りません。
また、場合によっては保険料割増や特定部位不担保などの条件が付くこともあります。
服薬中でも申し込める?
てんかんの治療では、抗てんかん薬などの服薬が継続して行われることが一般的です。服薬中であっても、症状が安定している場合には生命保険に申し込めるケースがあります。
審査では、服薬の有無だけでなく、発作の頻度や通院状況、生活への影響などを含めて総合的に判断されることが一般的です。そのため、服薬中という理由だけで必ず加入できないわけではありません。
ただし、保険会社によって審査基準が異なるため、同じ健康状態であっても結果が変わることがあります。
加入後にてんかんと診断されたら保険はどうなる?
生命保険に加入した後にてんかんと診断された場合でも、契約自体が直ちに無効になるわけではありません。契約時の告知内容に問題がなければ、基本的には契約は継続されます。
ただし、契約時にてんかんの症状があったにもかかわらず告知していなかった場合などには、後から告知義務違反と判断される可能性があります。この場合、契約が解除されることや、保険金が支払われないケースもあります。
そのため、生命保険に申し込む際には、健康状態に関する情報を正確に告知することが重要です。
まとめ
てんかんがある場合でも、生命保険に加入できる可能性はあります。生命保険の審査では病名だけでなく、発作の状況や治療経過、通院状況、服薬内容などを総合的に確認したうえで加入可否が判断されることが一般的です。
症状が安定している場合には通常の生命保険に加入できる可能性がありますが、審査結果によっては加入が難しい場合もあります。その場合でも、引受基準緩和型保険や無選択型保険など、検討できる保険の種類があります。また、生命保険だけでなく、自立支援医療や高額療養費制度などの公的制度を活用することで、医療費の負担を軽減できる可能性もあります。保険を検討する際には、健康状態や生活状況を踏まえながら、公的制度と民間保険を組み合わせて備え方を考えることが大切です。まずは現在の発作状況・通院歴・服薬内容を整理し、複数の保険会社に相談してみましょう。症状が安定している場合には、通常の生命保険への加入を検討できる可能性があります。


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