双極性障害(双極性障害Ⅰ型・双極性障害Ⅱ型)の診断を受けていると、「生命保険には入れないのでは」と不安に感じる方も多いかもしれません。
結論:双極性障害があっても生命保険に加入できる可能性はあります。ただし、症状の安定性や治療状況によって審査結果は大きく異なります。
また、通常の生命保険の審査が慎重に行われる場合でも、告知項目が限定されている引受基準緩和型保険や、告知が不要な無選択型保険など、検討できる商品がある場合もあります。この記事では、双極性障害がある場合の生命保険の審査の考え方や、加入を検討できる保険の種類、確認しておきたい注意点などを整理して解説します。
双極性障害でも生命保険に加入できる可能性はある?

双極性障害があっても一律で加入できないわけではない
双極性障害の診断歴がある場合でも、すべての生命保険に必ず加入できないわけではありません。生命保険の加入審査では、病名そのものよりも、現在の健康状態や治療状況、生活への影響などを総合的に確認したうえで判断されることが一般的です。
生命保険会社は、契約者の健康状態や将来のリスクを踏まえて保険料や引受の可否を決定します。そのため、双極性障害がある場合には、主に以下の3パターンに分かれます。
- 通常の生命保険に加入できる
- 条件付き(保険料割増など)で加入できる
- 通常の保険は難しく、緩和型などを検討
このように、双極性障害があることだけで一律に加入が否定されるわけではなく、個別の状況に応じて審査が行われるのが一般的です。
加入可否は病名だけでなく治療状況や告知内容で判断される
生命保険の申し込み時には、健康状態などについて「告知義務」に基づく申告が必要になります。告知では、単に病名を申告するだけではなく、現在の症状や治療状況など、具体的な内容が確認されます(※商品により異なる)
双極性障害に関しては、次のような情報が確認されることがあります。
- 精神科・心療内科への通院歴
- 過去一定期間(例:過去5年以内など)の診察・治療歴
- 現在の服薬状況
- 入院歴の有無
- 症状の再発状況
- 休職歴や就労状況
- 障害年金の受給状況
これらの情報をもとに、症状が安定しているか、日常生活や就労にどの程度影響しているかなどが総合的に判断されます。
たとえば、一定期間症状が安定しており、継続的な入院歴や休職歴がない場合には、通常の生命保険の審査対象となる可能性もあります。一方で、現在も治療が続いている場合や、入院歴・休職歴がある場合には、審査がより慎重に行われることがあります。
双極Ⅰ型・双極Ⅱ型や症状の安定性が確認されることもある
双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す精神疾患であり、症状の程度や経過には個人差があります。医学的には主に次のように分類されています。
- 双極性障害Ⅰ型
強い躁状態と抑うつ状態が現れることがあるタイプ - 双極性障害Ⅱ型
軽躁状態とうつ状態を繰り返すタイプ
生命保険の審査では、このような診断分類そのものよりも、症状の安定状況や治療経過が主な判断材料になります。たとえば、以下のような点が参考にされる場合があります。
- 最終発作からの経過期間
- 通院頻度
- 服薬内容
- 社会生活・就労状況
これらを踏まえて、保険会社が将来的なリスクを総合的に判断し、加入の可否や条件を決定することがあります。
双極性障害だと生命保険の審査が慎重に行われるのはなぜか

生命保険には告知義務がある
生命保険に申し込む際には、契約者は自身の健康状態や既往歴について、保険会社に正確に申告する告知義務があります。これは、保険会社が契約を引き受けるかどうか、またどのような条件で契約するかを判断するために必要な手続きです。
告知では、次のような内容を申告することが一般的です。
- 過去5年以内の病気・けがの治療歴
- 医師による入院や手術の指示
- 継続的な通院や服薬の状況
- 検査・経過観察の有無
精神科や心療内科の通院歴も、通常は告知対象となります。双極性障害の場合も、通院歴や治療内容、服薬状況などを申告する必要があり、その内容をもとに保険会社が審査を行います。
生命保険の審査では、病名の有無だけで判断されるわけではなく、現在の症状の安定状況や生活への影響などを含めて総合的に判断されることが一般的です。
双極性障害では再発や継続治療の可能性が重視される
双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す可能性がある精神疾患とされています。そのため、生命保険の審査では、症状の再発リスクや継続的な治療の必要性が確認されます。
保険会社は、契約後の保険金や給付金の支払いリスクを判断する必要があるため、精神疾患については特に慎重に審査が行われることがあります。たとえば、次のような状況が確認されます。
- 症状が現在も継続しているか
- 再発を繰り返しているか
- 入院治療の経験があるか
- 社会生活や就労への影響があるか
これらの情報を総合的に確認したうえで、保険会社が加入可否や条件を判断することが一般的です。
実際に確認されやすい主な項目
双極性障害に関する生命保険の審査では、具体的に次のような項目が確認されることがあります。
- 精神科・心療内科の通院歴
- 通院頻度(例:月1回、数か月に1回など)
- 治療開始時期
- 最終受診日
- 気分安定薬や抗精神病薬などの服薬状況
- 服薬の継続期間
- 現在の処方内容
- 過去の精神科入院歴
- 休職歴
- 就労状況
- 障害年金の受給状況
これらの情報は、保険会社が健康状態や将来的なリスクを判断するための重要な材料となります。たとえば、症状が長期間安定しており、入院歴や休職歴がない場合には、通常の生命保険の審査対象となる可能性もあります。一方で、現在も治療が継続している場合や、入院歴がある場合には、審査がより慎重に行われることがあります。
告知義務違反があると契約解除や不支払いになる可能性がある
生命保険では、告知内容が事実と異なっていた場合、告知義務違反として契約が解除されることがあります。また、保険事故が発生した際に、高い確率で不利益(契約解除・不支払い)につながります。
たとえば、次のようなケースが問題になることがあります。
- 精神科の通院歴を申告していない
- 双極性障害の診断歴を申告していない
- 入院歴を告知していない
保険会社は、保険金や給付金の請求時に、医療機関の診療情報や診断書などをもとに事実関係を確認することがあります。その際、告知内容との不一致が見つかると、契約解除や保険金不支払いにつながる場合があります。
そのため、生命保険を申し込む際には、病歴や通院歴について正確に申告することが重要です。申告内容に不安がある場合には、申し込み前に保険会社や保険募集人へ確認しておくことが望ましいとされています。
双極性障害でも検討しやすい生命保険の種類

双極性障害の診断歴がある場合、通常の生命保険では審査が慎重に行われることがあります。そのため、健康状態の告知内容によっては、一般的な生命保険に加入することが難しいケースもあります。
ただし、生命保険には健康状態に配慮した商品もあり、双極性障害のある方でも検討できる保険の種類が存在します。ここでは、実際に検討されることが多い保険の種類と、それぞれの特徴や注意点を整理します。
引受基準緩和型保険
引受基準緩和型保険は、通常の生命保険よりも告知項目が少なく設定されている保険です。健康状態に不安がある方でも加入を検討しやすい商品として販売されています。
多くの引受基準緩和型保険では、次のような比較的シンプルな告知項目が設定されています。
- 最近3か月以内に医師から入院や手術を勧められていないか
- 過去2年以内に入院や手術をしていないか
- 過去5年以内にがんなど特定の重大な病気と診断されていないか
商品によって告知内容は異なりますが、一般的な生命保険よりも告知のハードルが低く設定されていることが多く、双極性障害のある方でも加入できる可能性があります。
ただし、引受基準緩和型保険には次のような特徴があります。
- 通常の生命保険より保険料が高めに設定されることがある
- 契約から一定期間は保険金や給付金が削減される商品がある
- 保障内容が限定される場合がある
たとえば、契約から一定期間(例:1年間または2年間)は、死亡保険金が既払保険料相当額のみ支払われるなどの条件が設けられている商品もあります。加入前には、約款や支払条件を確認することが重要です。
無選択型保険
無選択型保険は、健康状態の告知や医師の診査が不要で加入できる保険です。健康状態に関係なく申し込みができる商品として設計されています。
そのため、双極性障害の治療中であっても、原則として健康状態に関係なく加入できます。
ただし、無選択型保険には次のような特徴があります。
- 保険料が一般の生命保険より高く設定されていることが多い
- 契約から一定期間は保障が制限されることがある
- 保障内容が比較的シンプルであることが多い
例えば、多くの商品では、契約から一定期間(一般的には2年程度)は死亡保険金が満額支払われず、既払保険料相当額またはその一定割合のみが支払われる仕組みになっている場合があります。
そのため、無選択型保険は「誰でも入りやすい保険」という位置づけですが、保障内容や保険料の条件をよく確認したうえで検討することが重要です。
死亡保険・医療保険・がん保険で審査の考え方が異なる
生命保険といっても、商品によって審査の考え方が異なります。代表的な保険の種類は次のとおりです。
- 死亡保険(定期保険・終身保険など)
- 医療保険
- がん保険
双極性障害の場合、精神疾患そのものによる入院や治療が保障対象となるかどうかは、保険の種類や約款によって異なります。
たとえば、
- 医療保険では精神疾患による入院が保障対象外となる商品がある
- 就業不能保険では精神疾患を原因とする就業不能状態が対象外となる場合がある
- がん保険では精神疾患の既往があっても加入できるケースがある
といった違いが見られます。
そのため、双極性障害がある場合には、単に「加入できるかどうか」だけでなく、どの保障が対象となるのか、どの疾病が対象外となるのかといった約款上の条件を確認することが重要です。
通常の生命保険に加入できるケースはある?

双極性障害の診断歴がある場合、生命保険の審査は慎重に行われることがあります。ただし、すべてのケースで通常の生命保険に加入できないわけではありません。症状の安定状況や治療経過などによっては、一般的な生命保険の審査対象となる場合もあります。
生命保険会社は、医療機関の通院状況や生活状況などを総合的に確認し、将来的なリスクを踏まえて引受の可否を判断します。ここでは、通常の生命保険に加入できる可能性があるとされる主なケースについて整理します。
治療終了から一定期間が経過している場合
生命保険の審査では、治療が終了してからの経過期間が確認されることがあります。双極性障害の場合、症状が安定している期間が長いほど、保険会社がリスクを判断しやすくなることがあります。
例えば、以下の点が確認されます。
- 最終通院日からの経過期間
- 薬物治療の終了時期
- 症状の再発の有無
保険会社ごとに具体的な基準は異なりますが、一定期間症状が安定しており、継続的な治療が行われていない場合には、通常の生命保険の審査対象となる可能性があります。
ただし、これは一律の基準ではなく、保険会社ごとの引受基準や個別の健康状態によって判断されます。
入院歴や休職歴がない場合
生命保険の審査では、入院歴や休職歴など、生活や就労への影響も確認されることがあります。双極性障害の場合、次のような情報が審査の参考材料となることがあります。
- 精神科・心療内科の入院歴
- 症状による休職歴
- 長期の就労制限の有無
- 日常生活への影響
例えば、双極性障害の診断歴があっても、入院歴がなく、就労を継続している場合には、症状が比較的安定していると判断されることがあります。
一方で、精神科の入院歴が複数回ある場合や、長期間の休職歴がある場合には、保険会社が将来的なリスクを慎重に判断することがあります。
条件付きで加入できる場合に付くことがある条件
通常の生命保険の審査で、完全に問題がないと判断されない場合でも、特別条件付きで加入できるケースがあります。この場合、契約時に一定の条件が付くことがあります。
生命保険で設定されることがある主な条件には、次のようなものがあります。
保険料割増(通常より高い保険料)
通常より高い保険料を支払うことで加入できる仕組みです。
保険金削減(一定期間減額)
契約から一定期間、死亡保険金などの支払額が減額される条件です。
特定部位不担保(特定疾病を除外)
特定の疾病や部位に関する保障を対象外とする条件です。
例えば、精神疾患に関連する入院や就業不能状態について、一定期間または契約期間中は保障対象外とされる条件が付く場合があります。
このような条件付き契約は、通常の保険より保障内容が制限される可能性があります。そのため、契約前には約款や支払条件を確認し、どのような場合に保障対象となるのかを理解しておくことが重要です。
双極性障害で生命保険を検討するときの注意点

双極性障害の診断歴がある場合、生命保険への加入自体が目的になってしまい、「加入できるかどうか」だけを基準に商品を選んでしまうケースも見られます。しかし実際には、加入できても保障内容に制限がある場合や、保険料が高くなる場合もあるため、契約内容を慎重に確認することが重要です。
ここでは、双極性障害のある方が生命保険を検討する際に、特に確認しておきたいポイントを整理します。
精神疾患が保障対象か約款で確認する
生命保険や医療保険では、精神疾患に関する入院や就業不能状態が保障対象外となる商品があります。これは約款上の免責事項として設定されている場合があるため、加入前に必ず確認してください。
例えば、次のようなケースがあります。
- 精神疾患による入院が医療保険の給付対象外となる
- 就業不能保険で精神疾患による就業不能状態が対象外となる
- 双極性障害の再発による入院が給付対象にならない
このような制限がある場合、保険に加入していても給付金が支払われない可能性があります。そのため、契約前には約款を確認し、どの疾病が保障対象で、どの疾病が対象外なのかを理解しておくことが重要です。
免責期間や支払条件を確認する
生命保険では、契約直後からすべての保障が適用されるわけではなく、免責期間が設定されていることがあります。免責期間とは、契約後一定期間は特定の事由による保険金や給付金が支払われない期間のことです。
例えば、次のような免責条件が設定されている商品があります。
- 自殺による死亡保険金は契約後2年程度は原則として支払対象外となる
- 引受基準緩和型保険では、契約から1〜2年程度は保険金が削減される場合がある
- 無選択型保険では、一定期間は死亡保険金が既払保険料相当額のみとなる場合がある
このような条件は商品ごとに異なるため、契約前に免責期間・給付削減期間・支払条件を確認しておくことが重要です。
保険料だけでなく必要な保障額を整理する
双極性障害のある方の場合、加入できる保険の選択肢が限られることがあり、その結果として保険料が高くなる場合があります。そのため、保険料の負担だけでなく、必要な保障額とのバランスを考えることが重要です。
生命保険の役割は、公的制度ではカバーできない生活費や医療費などを補うことにあります。例えば、会社員などが病気やけがで働けなくなった場合には、健康保険から傷病手当金が支給される制度があります。
傷病手当金は、病気やけがで働けない期間に、給与の約3分の2相当が最長1年6か月支給される制度です。
このような公的制度でカバーできる範囲を踏まえたうえで、不足する生活費や医療費を民間の生命保険で補うという考え方が基本的な考え方です。保険料だけを基準に商品を選ぶのではなく、必要な保障額や家計への負担も含めて検討することが重要です。
双極性障害で利用できる公的制度

双極性障害のある方が生活や治療を続けていくうえでは、民間の生命保険だけでなく、公的制度の仕組みを理解しておくことも重要です。精神疾患に関しては、医療費の負担を軽減する制度や、就労が難しい場合の所得保障制度などが用意されています。
これらの制度を活用することで、医療費や生活費の負担を一定程度軽減できる場合があります。ここでは、双極性障害の方が利用できる主な公的制度を整理します。
自立支援医療(精神通院医療)
自立支援医療(精神通院医療)は、精神疾患の通院治療にかかる医療費の自己負担を軽減する制度です。双極性障害などの精神疾患で継続的な通院治療が必要な場合に利用できることがあります。
この制度を利用すると、医療機関や薬局で支払う医療費の自己負担が原則3割から1割に軽減されます。
- 精神科・心療内科の診察
- 精神疾患の治療薬
- 訪問看護などの医療サービス
また、所得状況によっては、月ごとの自己負担額に上限が設定されることがあります。これにより、長期間の治療が必要な場合でも、医療費の負担を抑えることが可能になります。
傷病手当金
会社員などが加入する健康保険には、病気やけがで働けなくなった場合に生活費を補う傷病手当金という制度があります。双極性障害の症状が悪化し、仕事を休まざるを得ない場合には、この制度を利用できる可能性があります。
傷病手当金の主な特徴は次のとおりです。
- 業務外の病気やけがで働けない場合に支給される
- 給与の約3分の2相当が支給される
- 支給期間は最長1年6か月
この制度は、会社員や公務員など健康保険の被保険者が対象となる制度であり、一定の条件を満たした場合に利用できます。
障害年金
双極性障害によって日常生活や就労に大きな制限がある場合には、障害年金を受給できる可能性があります。障害年金は、病気やけがによって生活や仕事に支障が出た場合に支給される公的年金制度です。
精神疾患も対象となっており、双極性障害の場合でも、症状の程度によっては認定されることがあります。
障害年金には主に次の種類があります。
- 障害基礎年金(国民年金加入者などが対象)
- 障害厚生年金(厚生年金加入者が対象)
支給の可否は、次のような要素を総合的に判断して決定されます。
- 日常生活への影響
- 就労状況
- 医師の診断書
- 初診日
- 保険料納付状況
なお、障害年金を受給している場合には、生命保険の加入審査でその事実が確認されることがあります。
精神障害者保健福祉手帳
双極性障害などの精神疾患がある場合、症状の程度によっては精神障害者保健福祉手帳の交付を受けられることがあります。この手帳は、精神障害のある方の社会参加や自立した生活を支援することを目的とした制度です。
精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患によって長期にわたり日常生活や社会生活に制約がある場合に交付される制度で、障害の程度に応じて1級〜3級に区分されます。
手帳を取得すると、自治体や事業者によって次のような支援を受けられる場合があります。
- 所得税・住民税の控除
- 公共料金の割引
- 交通機関の運賃割引
- 公共施設の利用料減免
ただし、具体的な支援内容や割引制度は自治体や事業者によって異なるため、詳細は居住地の自治体窓口で確認することが必要です。
双極性障害で生命保険に加入した後に保険金・給付金は支払われる?

双極性障害の診断歴がある場合、「生命保険に加入できても、実際に保険金や給付金は支払われるのか」と不安に感じる方も少なくありません。生命保険では、契約内容や約款、告知内容などをもとに保険金の支払可否が判断されます。
そのため、双極性障害がある場合でも、契約内容や支払条件を満たしていれば、保険金や給付金が支払われるケースがあります。一方で、約款上の免責事項や告知義務違反がある場合には、支払い対象とならないこともあります。
ここでは、生命保険加入後の保険金・給付金の扱いについて整理します。
契約内容と支払条件を満たしていれば支払われる場合がある
生命保険では、契約時の告知内容に問題がなく、約款で定められている支払条件を満たしている場合には、双極性障害の既往があっても保険金や給付金が支払われます。
例えば、次のようなケースでは支払対象となる可能性があります。
- 事故や病気による死亡で死亡保険金の支払条件を満たしている
- 医療保険で約款上の対象となる疾病で入院した
- 高度障害状態に該当し、高度障害保険金の支払条件を満たした
このように、生命保険では契約時の健康状態だけで支払いの可否が決まるわけではなく、事故や疾病の内容と約款の条件によって判断されることが一般的です。
そのため、双極性障害がある場合でも、契約条件を満たしていれば保険金や給付金が支払われるケースがあります。
約款上の免責事項に該当すると支払われない場合がある
生命保険には、契約時に定められている免責事項があります。免責事項とは、一定の条件に該当する場合には保険金や給付金が支払われないとする契約上のルールです。
代表的な免責事項の例としては、次のようなものがあります。
- 契約から一定期間内の自殺
- 約款で保障対象外とされている疾病
- 特定の疾病に関する不担保条件
例えば、多くの生命保険では自殺免責期間が設定されており、契約からおおむね2年以内の自殺については死亡保険金が支払われないとする商品が一般的に設定されています。
また、精神疾患に関する入院や就業不能状態について、約款上の対象外となる商品もあります。そのため、契約前には約款の免責事項を確認しておくことが重要です。
告知義務違反があると保険金が支払われない可能性がある
生命保険では、契約時の告知義務違反がある場合、保険金や給付金が支払われないことがあります。告知義務違反とは、健康状態や病歴などについて事実と異なる申告をした場合や、申告すべき内容を申告していない場合を指します。
例えば、次のようなケースです。
- 精神科や心療内科の通院歴を申告していない
- 双極性障害の診断歴を申告していない
- 入院歴や服薬歴を申告していない
保険金や給付金の請求時には、保険会社が診断書や診療情報などを確認することがあります。その際、契約時の告知内容と実際の診療記録に相違があると、契約解除や保険金不支払いとなる可能性が高いです。
そのため、生命保険を申し込む際には、通院歴や診断歴などを正確に申告することが重要です。申告内容に不安がある場合には、事前に保険会社や保険募集人に確認しておくとよいでしょう。
よくある質問

双極性障害と生命保険に関しては、加入の可否や保障内容などについて多くの疑問が寄せられます。ここでは、特に相談が多い質問をまとめて整理します。
双極性障害で服薬中でも生命保険に入れる?
双極性障害で現在も服薬治療を続けている場合、通常の生命保険では審査が慎重に行われることがあります。多くの生命保険では、精神科や心療内科の通院歴や服薬状況が告知対象となるため、現在治療中の場合は加入が難しくなる傾向があります。
ただし、すべての生命保険に加入できないわけではありません。商品によっては、次のような選択肢が検討できる場合があります。
- 引受基準緩和型保険
- 無選択型保険
これらの保険は、告知項目が限定されていたり、健康状態の審査が簡略化されている商品です。ただし、一般の生命保険より保険料が高くなる場合や、契約から一定期間は保障が制限される場合があるため、契約条件を確認することが重要です。
通院中だと通常の生命保険は難しい?
精神科や心療内科への通院が継続している場合、通常の生命保険では審査が慎重に行われることがあります。生命保険の告知では、一般的に過去5年以内の通院歴や治療歴などが審査で重視されるためです。
特に次のような状況では、審査が慎重になることがあります。
- 現在も通院が継続している
- 気分安定薬や抗精神病薬などの服薬治療が続いている
- 過去に精神科の入院歴がある
ただし、通院歴がある場合でも、症状が安定している期間が長い場合や、生活・就労に大きな支障がない場合には、通常の生命保険の審査対象となる可能性もあります。具体的な判断は保険会社ごとに異なるため、個別に確認することが必要です。
障害年金を受給していると生命保険には入りにくい?
双極性障害により障害年金を受給している場合、生命保険の審査では健康状態や生活状況を慎重に確認されることがあります。障害年金の受給は、症状によって日常生活や就労に一定の制限があると認定されている状態であるためです。
そのため、通常の生命保険では加入が難しいケースもあります。ただし、引受基準緩和型保険や無選択型保険など、健康状態の告知内容が限定されている商品であれば、加入を検討できる場合があります。
引受基準緩和型保険なら双極性障害による入院も保障される?
引受基準緩和型保険では、一般の医療保険よりも加入しやすい設計になっていますが、精神疾患による入院や治療が必ず保障対象になるとは限りません。
商品によっては、次のような条件が設定されていることがあります。
- 精神疾患による入院が給付対象外
- 契約から一定期間は給付金が削減される
- 特定の疾病について不担保条件が付く
そのため、引受基準緩和型保険を検討する際には、約款や支払条件を確認し、双極性障害に関連する入院や治療が保障対象となるかどうかを確認することが重要です。
家族が代わりに生命保険を申し込むことはできる?
生命保険では、原則として被保険者本人の同意が必要です。そのため、家族が本人に無断で生命保険に加入させることはできません。
多くの生命保険では、契約時に次のような確認が行われます。
- 被保険者本人の同意
- 告知内容の確認
- 契約内容の理解
そのため、双極性障害がある場合でも、生命保険を検討する際には本人が契約内容を理解したうえで申し込み手続きを行うことが必要です。
まとめ
双極性障害の診断歴がある場合でも、生命保険に必ず加入できないわけではありません。生命保険の審査では病名だけで判断されるのではなく、精神科・心療内科の通院歴、服薬状況、入院歴、休職歴、症状の安定状況などをもとに、保険会社が個別に判断することが一般的です。
現在も治療が続いている場合や症状が不安定な場合には、通常の生命保険では審査が慎重に行われることがあります。その場合でも、引受基準緩和型保険や無選択型保険など、健康状態に配慮した商品を検討できるケースがあります。
ただし、これらの保険では次のような条件が設けられていることがあります。
- 通常の生命保険より保険料が高くなる
- 契約から一定期間は保険金や給付金が削減される
- 精神疾患に関する入院や治療が保障対象外となる場合がある
そのため、生命保険を検討する際には、加入できるかどうかだけでなく、約款に定められている免責事項や支払条件を確認することが重要です。
また、双極性障害のある方は、民間の生命保険だけでなく、公的制度を活用できる場合もあります。例えば、自立支援医療(精神通院医療)による医療費の軽減や、傷病手当金、障害年金などの制度が生活を支える仕組みとして利用できることがあります。
生命保険は、公的制度ではカバーできない生活費や医療費の不足分を補う役割を持つものです。双極性障害がある場合でも、現在の健康状態や生活状況に合わせて、保障内容や保険料のバランスを確認しながら検討することが大切です。


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